コラム Column
マニュアル
2025-11-18
基幹システムに必要な操作マニュアル 販売管理編
操作手順を並べるだけでは、ユーザーには伝わりません。 販売管理機能を題材に、基幹システムの操作マニュアルをわかりやすく作るための構成や書き方のポイントを紹介します。
販売管理などの基幹システムは、業務フローが複雑で、操作も多岐にわたります。そのため、マニュアル制作では「画面説明をまとめる」だけでなく、「操作の背景や目的」まで整理する視点が欠かせません。本コラムでは、販売管理機能を題材に、基幹システムの操作マニュアルをわかりやすく作るための構成や書き方のポイントを紹介します。
販売管理マニュアルでつまずきやすいポイント
販売管理のマニュアルでは、画面ごとの説明に終始しがちです。受注や出荷、請求といった一連の流れがつながらず、「次に何をすればいいのか」がわからないマニュアルになってしまうことがあります。
また、操作の目的が説明されていないため、ユーザーが「なぜこの入力が必要なのか」を理解できないケースも少なくありません。
さらに、販売管理は更新や改修が多い領域です。変更内容を反映しきれず、古い画面や手順が残ってしまうこともよくある失敗です。
こうした問題を防ぐには、単なる操作手順書ではなく、「業務の流れの中でどう操作するか」を意識した構成が求められます。
業務の流れに沿って構成する
販売管理のマニュアルは、「受注登録」「出荷処理」「請求書の発行」など、業務の流れに合わせた章立てで整理するのが基本です。
画面単位ではなく業務単位で構成することで、ユーザーは自分の担当範囲をすぐに探せます。
また、入力したデータがどの帳票や処理に反映されるかを図や表で示すと、操作の目的がより明確になります。
操作説明の前に「この手順は○○を確定させるために行います」と一文添えるだけでも、理解度は大きく変わります。
マニュアルを読む人は、ボタンを押したいのではなく、業務を完了させたいのです。
マニュアル作成時の注意点
販売管理のマニュアルでは、まず専門用語を統一しましょう。
たとえば「納品」と「出荷」が混在すると、ユーザーが混乱します。
社内用語とシステム用語の差を調整しながら、全体で整合性を取ることが大切です。
また、画面キャプチャの更新ルールを最初に決めておくことも重要です。
改修ごとに手作業で差し替えるのは非効率なため、キャプチャ作成・更新のフォーマットをテンプレート化しておくと管理が楽になります。
さらに、販売管理では例外処理(返品・部分出荷・再請求など)が頻繁に発生します。代表的なケースだけでも記載しておくと、ユーザーの自己解決率が高まります。
わかりやすくするための工夫
操作手順は、「目的」「操作」「結果」の3段構成でまとめると効果的です。
例:
- 受注情報を登録します(目的)
- [新規登録]をクリックし、必要項目を入力します(操作)
- 登録が完了すると、一覧に表示されます(結果)
この形式を統一することで、どのページを見ても理解しやすいマニュアルになります。また、誤操作が起こりやすい箇所には「注意」や「ヒント」枠を設け、エラーを未然に防ぐ工夫も有効です。
制作を効率化するには
販売管理機能は対象範囲が広く、マニュアルも膨大になりがちです。
更新作業や検証に時間を取られ、本来の業務が後回しになるケースもあります。
こうした負担を減らすには、マニュアル制作の専門会社に委託する方法も有効です。
業務理解を持つ制作チームであれば、構成設計からテンプレート化、原稿作成、校正まで一貫して対応でき、短期間で品質の高いマニュアルを整備できます。
更新のたびに担当者が手を動かす必要もなく、運用負担を大きく減らすことが可能です。
まとめ
販売管理のマニュアルは、操作手順だけでなく業務全体の流れを意識して構成することで、初めて「使えるマニュアル」になります。
ユーザーの理解を助ける説明や図解を取り入れ、更新しやすい仕組みを整えることが、長く使われるマニュアルづくりの鍵です。
クイックスでは、基幹システムをはじめとした操作マニュアルの制作や改善を多数支援しています。
販売管理機能など複雑なマニュアルにお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。