コラム Column
マーケティング
2020-10-07
マーケティングオートメーションとは?Webマーケティング初心者が、2ヶ月で運用担当になるまで
「マーケティングオートメーション(以下、MA)」に興味があっても、運用方法や、コンテンツのつくり方にお悩みではありませんか?本コラムでは、WebマーケティングやMAに無知だった筆者が、短期間でMA運用業務をこなせるようになるために何をしたのかについてお話しします。弊社・株式会社クイックスでは、MAを導入し、マーケティングや営業活動の効率化を図っています。

引継ぎ命令は突然に 初心者の私がMA担当業務を引継ぎ?
「クイックス(当社)のMAを担当している方が、あと2ヶ月で産休に入ります。引き継ぎはあなた(筆者)にお願いしたい」私は自社のMAの運用業務を引き継ぐこととなりました。 その引継ぎ命令を聞いた時の私の反応は、恥ずかしながら「 「MA」って何?初めて聞いた…」でした。すぐさま検索をしてみると、「マーケティングオートメーション」の略とのこと…。
「マーケティング」への苦手意識
「マーケティング」という言葉が目に飛び込んできた瞬間に、「私にできるだろうか」と、不安な気持ちになったことを、今でも覚えています。
当時、私は新入社員研修を終え、実務を始めて3年目。部署異動をしたため、仕事でWebに関り始めてからは2年目でした。「Webに関わっていた」といっても、メイン業務はWebサイトのテキストや画像の修正。もちろん、お客様のWeb戦略の一端を担っている自覚はありましたし、やりがいを感じていました。しかし、Webマーケティングに必要な「集客のための設計」や「公開後の検証」、「改善提案」という部分には関りが浅く、もっぱら制作担当だったといえる私は、その引き継ぎ命令にドキッとしてしまいました。
引き継ぐ前の状態
引き継ぐにあたって、「Webマーケティング」や、「Web解析」、「MA」について、前任者にOJTで指導してもらいながら勉強を始めました。引き継ぐ前の筆者の知識レベルは以下の通りです。
- 「マーケティングオートメーション(MA)」という言葉を初めて聞いた
- Webマーケティングといえば、Google Analyticsの数値を確認していた程度
- 改善レポートを読んだり、作成したりしたことはほとんどない
- Webマーケティングでは、具体的に何をするのかよくわかっていない
筆者の業務・作業について
私の引き継いだ業務・作業は以下の通りです。
- KPI 決まっていた指標を継承
- 「MA」の運用業務(メルマガ配信・リード登録・タグ付け等)
- 自社コラムのアップロード(コンテンツは営業部と協力して作成)
- Webアクセス状況の集計業務(Google Analyticsの確認)
- お問い合わせや、Webサイトの資料ダウンロード後の進捗管理・営業支援
MA担当に必要な知識、欲しい知識

MAとは?
先に述べた通り、当初の私は「マーケティングオートメーション(MA)」という言葉すら知りませんでした。
どういったものなのか調べてみると、MAとは、
- マーケティング業務を自動化することで業務効率化、生産性向上を図るツール
- 見込み顧客情報を一元管理し、一人ひとりの行動を可視化できるツール(プラットフォーム)
だということがわかりました。
「マーケティング」とは、「売れる仕組みをつくること」です。「売れる仕組みの自動化」ととらえれば、オフラインもマーケティングオートメーションの対象だということです。弊社のMA運用では、メルマガの配信や、Webサイトからのお問い合わせなど、顧客アクション後の育成状況の確認といったオンライン施策がメインのため、さしあたりWebマーケティングについての知識だということが分かりました。
Webマーケティングとは? =Google Analyticsでアクセスを見るだけじゃなかった!?
クイックスがこれまで取り組んできたWebマーケティングは、ユーザーにとって役に立つコンテンツを発信することでファン化を促進し、お問い合わせ等の行動へつなげる「コンテンツマーケティング」と言われるものです。また、サイトへの流入については、コンテンツSEOの考えを取り入れ、広告費は使わず、コンテンツの質を高めて検索順位上昇による流入を増やすことをベースとしていました。
コンテンツマーケティングでは、「ユーザーに有益な情報を届けられているのか」「それがお問い合わせ等の行動につながっているか」について検証し改善していかなければなりません。数値それ自体ではなく、現状把握、仮説立て、改善、効果確認、改善を行い、どのような施策でどれくらいの効果が出たのかを確認していくことが重要です。いわゆる「PDCAサイクルを回す」と言われていることです。
正直に言えば、アクセス数を把握して、どのページへのアクセスが多いのかを見ることが、Webマーケティングだと思い込んでいました。数値を見たあとどうするのか、どのように進めるかについて、あまりイメージがなかったため、OJTだけでなく、Webマーケティングについて自己学習をしました。
筆者が行った自己学習は下記のとおりです。
- Webサイト:Webマーケティングについてのクイックスのコラム(コラム最下部にリンク)
- 書籍:『ウェブ解析士 認定試験公式テキスト』(マイナビブックス)
- 書籍:『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』(インプレス )
- 書籍:『デジタル時代の実践スキル Web分析&改善 マーケティングの成功率を高める戦略と戦術』(MarkeZine BOOKS)
- セミナー:Web改善・メールマーケティング・コンテンツマーケティングのセミナー各種
MA導入で見えてくる数値(効果)の測り方
MAもWeb解析ツールも、ユーザー動向やコンテンツのアクセス状況を確認できるツールですが、2つをうまく掛け合わせないと、MA導入の効果を検証できません。
計測する数値は下記の通りです。
- MA:見込み顧客個人の動き、見込み顧客の育成具合、顧客の獲得状況(ミクロ解析の視点)
- Google Analytics:サイト全体の状況、コンテンツの効果(マクロ解析の視点)
例えば、MAでは、メルマガ配信後のメールの開封状況や、Webサイトにアクセスした見込み顧客個人の動きをミクロ解析の視点で確認し、何に興味を示しているのかを検討できますが、逆に、マクロ解析の視点から、Webサイトに流入した見込み顧客全体の動きや、お問い合わせ・資料請求といった成果を計測し、コンテンツの質を評価するのには不向きです。それぞれのツールが計測できる数値がどういったものかを把握して、MAの数値から見えたもの、Google Analytics(コンテンツの数値)から見えたものの2軸で、施策の効果・次の検討策を進めます。
Webの基礎知識
Webマーケティングは、Webを中心としたマーケティング手法です。そのため、Webの基本的な知識は最低限必要です。私の場合は、Web制作の実務や研修にて、Webの仕組みやWebサイトの基本構造、構成要素の名称、また、Webを構成しているファイル形式についてはある程度知識があり助かりました。たとえば、Webを構成しているファイル形式は、HTMLが構造や内容といった静的な部分を、CSSが装飾を、Java scriptがスライダーやポップアップなどの動的な部分を、PHPがメールの送信などサーバーとのやり取りを必要とする動きを担っているという内容がイメージできたからです。クイックスが利用したWeb解析ツール(Google Analytics)やMA(Kairos3)は、HTMLへJava scriptを埋め込んで計測を行います。とれたデータを正しく理解するために、どのような場合にJava scriptが読み込まれ、どのようにデータが蓄積されるのかといった部分を理解するのに役立ちました。
社内のプロモーション計画・販促計画に沿ったMA運用
クイックスでは年間販促計画があります。今では計画に落とし込まれた下記のような点を中心に、定期的に関連部署とふりかえりのミーティングを開き、状況によって柔軟に進めています。
- いつ、だれに、なにを、提供するか?
- 企画・制作・営業・サイト・MAの役割
- 市場の変化
- KPIに対しての進捗率
MAはコンテンツマーケティングとの相性が抜群
前述した通り、コンテンツマーケティングは、「ユーザーにとって役に立つコンテンツを発信することによってファン化を促進し、お問い合わせ等の行動へつなげる」マーケティング手法です。
MAのメルマガ配信機能を駆使すれば、作成したコンテンツを狙った顧客へ即時に配信可能です。また、個人のWeb上の動きを可視化できるため、ユーザーを誘導出来ているか、誘導後どのような動きをしているか、これまでのWeb上の動きはどうだったか等、ユーザーの興味関心や育成度合を測ることが可能です。
また、検索エンジン最適化によって流入数増加を図るSEO対策では、一般的に、届けたいユーザーへ届くまでに3ヶ月程度かかるのに対し、MAのメール配信システムを使用したメルマガ配信は即効性に優れ、コンテンツを改修・公開した直後にユーザーへ配信し、誘導することができます。以上のことから、コンテンツマーケティングのファン化を促すという考え方とMAのメール配信による即効性の高い情報伝達・見込み顧客の育成という考え方は、かなり相性が良いと言えます。
扱う商材が多い場合は、まずは商材を絞って運用する
クイックスでは、扱う商材が多岐にわたるため、まずは、以前よりSEO対策を中心にWebマーケティングに力を入れていたマニュアル作成ソフト「i-Share」から、MA運用をスタートさせました。
MAを組み合わせた「i-Share」のWebマーケティング。どのように運用したかについては次回の更新をお待ちください。
引き継いだばかりの時は不安ばかりでしたが、社内で連携を取りながら運用してみると、顧客の動きが記録され、数値化されるMAは、営業活動との親和性が高く、営業員とのコミュケーションがとりやすいツールである実感があります。もしも、かつての私のように、MAについて右も左もわからない方は、上記に書いたようなことを踏まえ、ぜひ勉強・実践してみてはいかがでしょうか。
MAツール導入や運用に困ったら?
クイックスの「Webマーケティングサポートサービス」では、MA導入・運用を支援するをプランをご用意しています。Webサイトの現状分析・レポート作成・改善案のご提示といったコンテンツマーケティングや、キーワード分析など、トータルでサポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。
『Webマーケティングサポートサービス』(1.9MB)
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