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翻訳
2023-02-06
【マニュアル制作コラム:第8回】機械翻訳の現状と有効性は
ビジネスのグローバル化が進むにつれ、翻訳業務の効率化が求められるようになり、「機械翻訳」のニーズが高まっていますが、実のところ「機械翻訳」の現状と有効性はどうなのでしょうか。 当社では、製品マニュアルのローカライズサービスを提供させていただいております。自社の経験から「機械翻訳」の良い部分と悪い部分をご紹介します。
1.機械翻訳の現状
機械翻訳とは
機械翻訳とは、ある言語を別の言語に翻訳する作業を、人を介さずにコンピュータを利用して全て自動的で行うことです。
ひと昔前の機械翻訳は、単語ごとに翻訳するため訳語は継ぎはぎとなり、流暢さに欠けた訳文でした。大まかな意味を把握するには使えるものですが、正確性に欠けるためエンドユーザーに正しい使い方や使用上の注意を伝える必要のあるマニュアル制作では「使えない」ものでした。
しかし近年、AI技術進歩により格段に精度が向上しました。訳語の前後の文章の流れを分析して翻訳するため、正確性と流暢性が向上し、人が翻訳する結果に近い訳文を生成できるようになりました。
スマートフォンやタブレットなどの端末で、利用できる無料の機械翻訳サービスもあり、今や誰もが気軽に使える翻訳手段として定着しつつあります。
機械翻訳のメリット
「機械翻訳」の最大のメリットは、コストを安く抑えてよりスピーディーな翻訳が可能になった点です。
これまでは、何か文書を翻訳したい場合、翻訳者に依頼をする手間や翻訳費用がかかっていました。しかし、機械翻訳であれば無料で提供しているサービスもあり、すぐに翻訳結果が返ってくる手軽さがあり、翻訳業務の効率化を図ることができます。
機械翻訳のデメリット
では、「機械翻訳」を使う上でのデメリットとはどんな点でしょうか。
精度が上がってきているとはいえ、翻訳結果が必ずしも正確とは限らないことです。複数の意味を持つ単語は、間違った解釈をしてしまう可能性があり、ニュアンスの違いは必ず生じます。
また機械翻訳は、シンプルで直接的な表現の翻訳となるため、文章の背景や真意を踏まえて翻訳したい場合は、AI翻訳が台頭した現状であっても、人による確認(翻訳者によるポストエディット)は必要となります。
そして、無料の機械翻訳サービスの場合、データが機械翻訳提供元のサーバに残ってしまったり、情報が流出してしまうなどセキュリティに関するリスクもあります。
2.機械翻訳を最大限に生かすには使い方が大事
デメリットもある機械翻訳ですが、それでも機械翻訳の導入ニーズは高まっています。機械翻訳は、使い方によっては十分にメリットを生み出すことが可能です。
翻訳原文の品質改善が重要
機械翻訳にかけやすい文体に文章を改善することで、機械翻訳の品質が向上することはご存じでしょうか。
翻訳原文が担当する人により、「用語」「語尾」「動詞」などの表現が整っていない場合、当然整った翻訳も仕上がりません。機械翻訳のメリットを発揮するには、読みやすくわかりやすい翻訳原文を作成することです。そのため、マニュアル制作時に文書ガイドラインを策定し、文書の標準化をお勧めします。翻訳品質も向上し、翻訳資産として蓄積したものを有効活用していくことができるでしょう。
有料の機械翻訳を利用してみる
有料の機械翻訳の場合は、いろんな分野の「専門用語」に対応でき、「文章のルール」や「用語集」による表記ゆれの整合も可能となります。セキュリティ面でも安全が確保されています。
有料の機械翻訳を提供する翻訳会社では、機械翻訳で生成された訳文を、人の手によって手直しするポストエディットサービスを提供している翻訳会社もありますので、各社の様々なサービスから目的や要望に合ったものを選んではいかがでしょうか。
まとめ
弊社は、マニュアルづくりをトータルでサポートしております。機械翻訳の導入実績もあり、運用サポートとともに翻訳品質の改善、原文標準化からお手伝いすることもできます。
また、株式会社ロゼッタ様と販売代理契約を締結したAI自動翻訳サービス「T-4OO」を提供することも可能です。
お気軽にお問い合わせください。
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