コラム Column
翻訳
2024-06-14
取扱説明書ローカライズを支える技術 ― AI翻訳と翻訳支援ツール(CATツール)
翻訳プロセスの革新者であるAIと翻訳支援ツール。これらの技術の概要と具体例、使い分けについて詳しくご紹介します。(2025/1/20 更新)

翻訳テクノロジーの進化は、グローバルなコミュニケーションの未来を形作っています。特に、AI翻訳技術と翻訳支援ツールは、取扱説明書のローカライズプロセスを劇的に変化させています。これらの技術は、翻訳の速度と正確性を向上させるだけでなく、コストを削減し、翻訳者の労力を大幅に軽減します。本コラムでは、これらの先進技術がどのようにして翻訳業界に革新をもたらしているのか、その具体的な使用例とともに詳細を解説します。
翻訳テクノロジーの現状
翻訳テクノロジーには大きく分けてAI翻訳と翻訳支援ツールがあります。AI翻訳は機械学習を利用して文脈に合った翻訳を生成し、翻訳支援ツールは過去の翻訳を蓄積して一貫性を保つのに役立ちます。これらは互いに補完関係にあり、ローカライズの精度と効率を大幅に向上させています。
AI翻訳とは?
AI翻訳は、機械学習技術を活用してテキストを自動で翻訳します。以下はその具体的な製品例です:
- Google翻訳:広範な言語をサポート。一般的な文章に強く、即時性が高い翻訳を提供。
- DeepL:文脈理解に優れた高精度翻訳を実現。特にヨーロッパ言語間での翻訳品質が高い評価を受けている。
翻訳支援ツールとは?
翻訳支援ツールは、過去の翻訳をデータベースに蓄積し、類似する翻訳に再利用することで効率と一貫性を向上させます。以下はその具体的な製品例です:
- SDL Trados Studio:業界で広く使用される翻訳支援ツール。大規模プロジェクト向けに設計され、翻訳メモリ機能を通じて一貫性を保つ。
- MemoQ:効率的な翻訳作業をサポートするために開発されたソフトウェア。ユーザーフレンドリーなインターフェイスと強力な翻訳メモリ機能を持つ。
- T-400(Rozetta):約2,000の翻訳エンジンを搭載し、100言語以上に対応。法務、医薬、ITなど多岐にわたる分野での専門的な翻訳を実現。
AI翻訳と翻訳支援ツールの使い分け
AI翻訳は、新しい言い回しや一般的な表現に適していますが、専門用語が多用される文書には適しません。翻訳支援ツールは、専門文書での一貫性を保ちたい場合に有効です。文書の性質とプロジェクト要件に応じて適切なツールを選択することが重要です。
人間とテクノロジーの協働
テクノロジーだけでは完璧な翻訳は実現できません。品質を確保するためには、AIの提案を人間の翻訳者が編集し評価することが必須です。これにより、テクノロジーの限界を補い、翻訳の品質と効率を最大化できます。
ポイント(箇条書き)
- AI翻訳は速度とアクセシビリティで優れ、一般的な内容に適しています。
- 翻訳支援ツールは専門用語の多い文書に最適で、一貫性を確保します。
- 最高の翻訳品質を実現するためには、人間とテクノロジーの協働が不可欠です。
まとめ
翻訳テクノロジーの進化は、取扱説明書のローカライズを含む多くの分野で、効率と品質の向上を実現しています。適切なテクノロジーの選択と、人間の専門知識を組み合わせることで、取扱説明書をより正確で理解しやすく改善します。それが結果として顧客満足度を高め、ユーザーの製品の使用体験を向上させることでしょう。
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