コラム Column
マニュアル
2025-05-08
マニュアルにも“アワード”がある? TC協会が主催する技術文書の祭典
実は、取扱説明書や製品マニュアルにも「アワード」があるのをご存知ですか?

製品やサービスのマニュアルといえば、正確な情報と分かりやすい構成が求められる技術文書ですが、その「わかりやすさ」や「使いやすさ」を競うコンテストが存在します。それが、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)が主催する「テクニカルコミュニケーション・アワード(通称:マニュアルアワード)」です。
このアワードは、取扱説明書や製品マニュアル、操作ガイド、Webマニュアル、動画マニュアルといった技術文書を対象に、優れたユーザビリティやデザイン性、情報構造などが評価され、毎年グランプリや優秀賞が発表されます。まさに「技術文書の祭典」と呼ぶにふさわしいコンテストです。
2024年度の受賞作品から見えるマニュアルの“今”
2024年度のグランプリは、株式会社アイシンの「エネファーム type S 燃料電池ユニット 工事説明書」が受賞しました。施工現場での使用を想定し、視認性の高いレイアウトや作業の流れに沿った構成、安全性を重視した情報設計が高く評価されました。これは、製品に付属するマニュアルとしての理想的な姿の一つです。
また、今年は動画マニュアルの受賞も話題となりました。株式会社ニコンの「Digitutor Z 30」シリーズは、プロによる操作実演とナレーション、視覚的なインターフェースが評価され、学生審査員からの高評価も受けて「学生賞」を獲得しました。
これらの受賞作から見えてくるのは、取扱説明書や製品マニュアルにも「体験」が求められる時代であるということです。読む人、使う人の立場に立った設計が、新しいマニュアルの常識になりつつあります。
ユーザー視点がカギ。製品マニュアル制作のヒントに
こうしたアワードに目を向けることは、マニュアル制作者にとって非常に有益です。評価基準には、「構成」「視認性」「情報の探しやすさ」「誤解を生まない表現」などがあり、これは製品マニュアルや取扱説明書にも十分通用する視点です。
たとえば、クイックスが提供するマニュアル支援サービスでは、情報の構造化や更新性の高い設計、Web化を見据えた展開などを通じて、こうした評価軸に通じる品質向上を目指しています。たとえ出展していなくても、アワードで求められる品質は、日々の制作業務に活かすべき“指標”となるはずです。
おわりに
「マニュアルアワードって、そんなものがあるんだ」と思われた方も多いかもしれません。けれど、そこにはユーザーに寄り添い、正確でわかりやすく、使いやすい情報を届けたいという制作者たちの想いが詰まっています。
私たちクイックスも、ユーザー視点を大切にしながら、製品マニュアルや取扱説明書の品質向上に取り組んでいます。将来的には、こうしたアワードへの出展を目指すこともあるかもしれません。まずは「良いマニュアルとは何か?」を考えるきっかけとして、こうしたアワードに目を向けてみてはいかがでしょうか。
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