コラム Column
マニュアル
2025-05-08
取扱説明書は情報設計から体験設計へ。“伝わる”マニュアルに必要な体験とは?

マニュアルに「体験」?と思う方もいるかもしれません。でも、今や“読む”から“使う”へ——マニュアルにもユーザー体験が求められています。
これまで、マニュアルといえば「読むもの」「調べるもの」という印象を持たれていた方も多いのではないでしょうか。特に製品マニュアルや取扱説明書は、正確さや網羅性が第一とされてきました。しかし近年、マニュアルにもUXの視点が求められるようになっています。
その背景には、マニュアルが単なる情報の羅列ではなく、「使いながら理解する」「操作と一体化した導線を提供する」といった、“使って快適なガイド”であることが求められている現実があります。
体験が求められる理由
- 製品が複雑化している:IoTやスマート家電のように操作が多様化する中、ユーザーは直感的に理解できる情報を求めています。
- デジタルで読む前提:紙からスマホやタブレットでの閲覧が前提となると、スクロールやタップなど操作性も含めた体験設計が重要になります。
- ユーザー層が広がっている:シニア層やIT初心者も含めた幅広いユーザーに対応するには、「読む人」の視点だけでなく、「使う人」の視点が必要です。
マニュアルにおける“体験”とは?
「体験」とは、エンタメ性や演出ではなく、「迷わず使える」「ストレスがない」「思った通りの情報が得られる」といった“利用者の納得感”です。
ユーザーが製品を使用する際に感じる「不安」「戸惑い」「疑問」を、マニュアルがどれだけ自然に先回りして解消できるか。それが“体験”の質に大きく関わってきます。
製品を箱から出して、最初に手に取る紙マニュアル。もしくは製品を起動して最初に開くWebマニュアル。そのファーストステップで「わかりにくい」「何をすればいいかわからない」と感じさせないことが、好印象を与える第一歩です。
具体的には、以下のような工夫が求められます。
- 構成や導線が「目的ベース」になっている(例:〇〇したい→方法がすぐ出てくる)
- 用語や図解がわかりやすい(読解力に依存しない)
- 「やること」→「確認方法」→「トラブル時対応」が流れるように構成されている
- 言葉だけに頼らず、イラストや図、短い動画で補足する
- ユーザーが迷った時の“戻れる道”が用意されている(リンク設計や参照ページ)
つまり、「マニュアルを読んでいる」というよりも、「マニュアルと対話している」ような感覚が理想です。読者の行動をスムーズに導きながら、疑問を先回りして提示し、安心して操作を進められる環境を整える——それがマニュアルにおける“体験”です。
クイックスの取り組みと考え方
私たちクイックスでは、こうした体験重視の設計をマニュアル制作に積極的に取り入れています。例えば、Webマニュアルでは、目的別ナビゲーションやスマホ対応UI設計、動画やアニメーションによる補助説明など、利用者が迷わず使えるような工夫を多層的に施しています。
「説明する」だけでなく、「理解させる・納得させる・行動につなげる」マニュアルへ。今後も“体験のある取扱説明書”を目指して、よりよいマニュアル作りを進めていきます。
おわりに
製品の魅力を最大限に活かすためには、マニュアルもその一部として“体験設計”されていることが重要です。ユーザーにとっての「製品の入り口」であるマニュアルだからこそ、「使いやすさ」だけでなく、「使ってよかった」と感じてもらえる工夫が求められます。
皆さんのマニュアルも、“使いやすさ”の先にある“体験”を意識してみませんか?
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