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マニュアル
2024-05-24
マニュアル運用管理者向けコラム:マニュアル管理で押さえておくべきポイント5選
マニュアル管理の基本原則を簡単に押さえながら、それを日々の業務に活かすための実践的なアプローチを紹介します。

マニュアル管理がうまくいけば、それだけで会社全体のパフォーマンスが格段にアップします。特に成長期にある企業や業務が日々複雑化している組織にとって、しっかりとした文書管理システムはもはや必須です。このコラムでは、マニュアル管理の基本原則を簡単に押さえながら、それを日々の業務に活かすための実践的なアプローチを紹介します。文書の書き方、体系整理、バージョン管理、アクセス権限の設定、そしてレビューと承認プロセスなど、情報をスムーズに、そして確実に共有するためのポイントを解説します。これらの原則を上手に取り入れ、業務効率と成果の向上を目指しましょう。
押さえておくべきポイントについて
マニュアル管理では押さえておくべきポイントはたくさんありますが、すべて実施していくと管理工数が肥大する要因になります。そこで、まずは下記の5つのポイントから実践してみて、御社にとって足りない要素を足していくようにしてみましょう。
まず初めに押さえておくべきポイント5選:
- 書き方の工夫:クリアで理解しやすい書き方は、マニュアルの効果を大きく左右します。読み手が「業務に必要な情報」を迅速に理解し、適切に行動できるようにするためには、書き方を統一し標準ルール化することが必要です。
- 体系整理:文書が適切に分類され、整理されていると、必要な情報を素早く見つけることができます。体系的に整理されたマニュアルは、作業の効率を向上させ、ユーザーの時間を節約します。
- 版管理:文書の最新の状態を保持することは、誤った情報に基づく間違いを防ぐために重要です。また、版管理を行うことで、過去の版に簡単にアクセスし、必要に応じて参照や復元が可能になります。
- アクセス権限の設定:誰が文書を編集できるか、見られるかを制限することは、情報の整合性と安全性を保つ上では必要不可欠です。機密性の高い文書や、標準化された業務に関するマニュアルは権限設定を行うことで意図せぬトラブルを予防することができます。
- レビューと承認プロセス:マニュアルが実際に運用される前にレビューと承認プロセスを設けることで、内容の正確性と適切性が保証されます。これによりマニュアルの信頼性が向上します。
書き方の工夫について
業務マニュアルをわかりやすくするためには、情報の構成を明確にし、用語を統一することが重要です。具体的には:
- 目次の作成:読者が必要な情報をすぐに見つけられるように、内容がすぐにイメージできる目次を用意しましょう。
- 用語の簡略化:専門用語を避け、日常言語を使用して内容を理解しやすくします。
- 視覚的サポート:ステップごとの手順には図や写真を加え、理解を助けます。
- 標準化の推進:全てのマニュアルでフォーマットやフォントを統一。同じテンプレートの使用により一貫性を保ちます。
これらのポイントを押さえると、社員全員が迅速かつ効率的にマニュアルを活用できるようになります。
体系整理
体系整理は、業務マニュアルの使いやすさを向上させる鍵です。より効率的な体系整理のためのポイントとして、以下の方法があります:
- カテゴリー分けの明確化:マニュアルを「顧客対応」「契約」「請求業務」といった明確なカテゴリーに分類します。同じカテゴリー内には関連するトピックをまとめ、情報の探索時間を短縮します。
- インデックスの利用:例えば、キーワード「退職手続き」でインデックスを作成すると、従業員はそのセクションをすぐに見つけることができます。これにより、情報へのアクセス速度が向上します。
- 階層的構造の設計:大カテゴリー「人事」の下に、「採用」「研修」「福利厚生」といったサブカテゴリーを設けることで、従業員は直感的に情報を追跡できます。
これらの工夫を施すことで、マニュアルから必要な情報を素早く、簡単に取り出すことができるようになります。具体的なカテゴリーやインデックスを設定することで、情報の検索効率が飛躍的に向上し、業務のスムーズな運行を支援します。
版管理
版管理は、業務マニュアルを最新の状態に保ち、情報の整合性を確保するために不可欠です。効果的な版管理を行うためのポイントと、特に版管理が重要な文書の種類は以下の通りです:
- 履歴の保持:各マニュアルの変更履歴を保存し、誰がいつどのような変更を加えたかを記録します。これにより、必要に応じて以前のバージョンを参照や復元が可能になります。
- 明確なバージョン番号:マニュアルには明確なバージョン番号を付け、更新のたびに番号を更新します。例えば、初版が1.0、小さな変更で1.1、大きな改訂で2.0とします。
- 定期的なレビュー:定期的にマニュアルをレビューし、業務の変更や技術の進化に合わせて内容を更新します。これにより、マニュアルが常に現状に合ったものであることを保証します。
特に版管理が重要な文書は、以下のようなものがあります:
- 安全関連の手順書:安全手順の変更は直接従業員の安全に関わるため、最新情報の維持が必須です。
- 法規制に基づくドキュメント:法律や規制が更新された場合、それに伴い内容も更新する必要があるため、版管理を徹底することが重要です。
- クリティカルな業務プロセス:企業運営において重要な役割を果たす業務プロセスの文書は、常に最新の状態であることが求められます。
これらの手法とポイントを理解し、適用することで、マニュアルの信頼性と有効性が向上し、組織全体の効率が大きく改善されます。
アクセス権限の設定
アクセス権限の設定は、業務マニュアルの安全性と効率性を保つために非常に重要です。適切なアクセス権限を設定することで、情報の漏洩リスクを最小限に抑え、必要な情報が適切な人にのみアクセスされるようにします。アクセス権限の設定のポイントは以下の通りです:
- 役割に基づくアクセス制御:従業員の役割と責任に基づいて、アクセスできる文書を制限します。例えば、人事関連のドキュメントは人事部門のスタッフのみがアクセスできるように設定します。
- 読み取り専用アクセス:変更が許可されていない文書は、読み取り専用として設定し、編集ができないようにします。これにより、情報の誤変更を防ぎます。
- アクセスログの監視:誰がいつどの文書にアクセスしたかのログを保持し、不正アクセスや不適切な情報利用を監視します。
これらの措置を講じることで、業務マニュアルのセキュリティが強化され、情報が正確かつ安全に利用される環境が整います。
レビューと承認プロセス
レビューと承認プロセスは、マニュアルや重要文書の品質を保証するために不可欠です。これにより、情報が正確かつ適切であることが確保されます。特に以下のような文書でレビューと承認プロセスを実施することが推奨されます:
- 法規制や規格に関連するドキュメント:法的要件を満たしていることを保証するため、これらの文書は厳格なレビューが必要です。
- 安全手順や緊急対応マニュアル:従業員の安全に直接関連する情報には、誤りがないよう特に注意深く承認を行います。
- 経営戦略に関する文書:組織の方針や戦略に影響を及ぼす文書は、高いレベルの管理が求められます。
レビュープロセスでは、関連する専門家や管理者、関係部門が内容を精査し、承認プロセスを通じて最終的な確認を行います。また、文書には誰がチェックし承認を行ったのかの履歴も必ず記録するようにしましょう。
まとめ
今回は運用管理における重要なポイントをご紹介しました。すべてを完璧に実施することはコスト面から見ても現実的ではないかもしれませんが、特に重要な文書に関しては、提案したポイントをしっかりと押さえることが重要です。自社の現状を振り返り、管理や運用が不十分な部分や無駄なコストがかかっていないか、ぜひ確認してみてください。これにより、効率的かつ効果的なドキュメント管理が実現できるでしょう。
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