コラム Column
マニュアル
2023-02-01
業務マニュアルは作ってからがスタート
業務マニュアルを作って放置していませんか? IT化や効率化が求められる近年で、ずっと変わらない工程や作業を行う方が珍しくなっています。 そのため、業務マニュアルは常に見直しが必要であり、作ってからが本当のスタートなのです。
作って満足!? 放置されがちなマニュアル
クイックスではこれまで業務マニュアルづくりに関して数多くのお客様の声を聞いてきました。そこで私たちが気づいたのは、多くの企業で「マニュアル」は必要とされているのに、必要なはずのマニュアルが「厄介者」になってしまっているということです。
読み手からは「マニュアルが必要」、「マニュアルの内容を見直したい」、という要望があるにもかかわらず、作り手側は「できれば作りたくない」と答える傾向が見受けられます。
このコラムを読んでいる方も、こんな経験をされているのではないでしょうか。
実務担当者にマニュアル作成を依頼しても断られたり、満足いく内容にならなかったり。あるいは、忙しいことを理由に手が付けられず、なかなか完成しないということはありませんか?
それでもなんとかマニュアルらしきものが出来上がると、「ミッション完了」とみなされて、その後は腫れものにさわるかの如く、誰も触れようとしないままマニュアルが放置され、陳腐化していく。このような状況が多くの企業で起きていることがわかってきました。
放置されたマニュアルが引き起こす負のスパイラル
放置されたマニュアル、つまり、非管理状態に陥ったマニュアルはどのような問題を起こすのでしょうか。
放置マニュアルの問題点
- 手順が変わっているのに、更新されていない。
- 読み手視点の検証がないため、熟練者用の難解なマニュアルができあがる。
- 正規のマニュアルの存在が不明確で、似たようなマニュアルが複数存在する。
- 一通りマニュアルはあるが、いざ困ったときに必要なマニュアルが探せない。
このような状態になると、作業者は「正しくない」、「わかりにくい」、「探しづらい」ことを理由にマニュアルを読まず、自身のやりやすい方法で作業を進行してしまいます。そうなると、ますます属人的な作業がふえ、業務や組織にリスクを及ぼす可能性が高まります。
業務・組織に及ぼすリスク
- ルール逸脱による、品質不良
- 属人化作業での生産性低下・残業増加
- 労災事故件数の増加
- 顧客満足度の低下
- 利益率悪化
このような、負のスパイラルを発生させないためにも、「文書ライフサイクル」を意識して、継続的にマニュアルを管理していくことが重要です。
文書ライフサイクルとは
「文書ライフサイクル」とは、JIS Z 6016:2008で
「文書の寿命特性、又は文書を作成、登録、利用、保管・保存及び廃棄する一連のプロセスの全期間」
と定義されています。
JISで定義されている一連のプロセスは紙文書での運用が起点になった考え方になっていますが、電子化・システム化しても同様の考え方が必要です。
上記に挙げた各プロセス、「作成」「登録」「利用」「保管」「保存」「廃棄」において、組織的に運用ルールやガイドラインを定め、正しく運用することが「鮮度を保ったマニュアル」の活用につながります。
例えば、「作成」時については、何を起点として誰がどの様式でマニュアルを作り、誰に承認を得るのか。
「登録」時には誰がどの場所に公開・配布し、どのタイミングで見直しを行うのか。
「利用」時には閲覧環境(紙、PCなど)を想定するのか。
このような運用ルールをあらかじめ明確に定めておくと、活用されずに放置されるマニュアルを根絶することができます。
鮮度を保ったマニュアルが生み出す正のスパイラル
「文書ライフサイクル」に沿ったガイドラインを定めて、鮮度を保ったマニュアルを運用することができれば、マニュアルのあるべき姿に近づけることができます。
マニュアルあるべき姿
- 業務にあった手順になるよう、常に見直しがされている。
- 読み手視点で検証された、初心者でもわかりやすいマニュアルができあがる。
- 正規のマニュアルが所定の場所に保管されている。
- 困ったときに必要なマニュアルがすぐに探すことができる。
このような状態を保つことができれば、マニュアルは活用されて、業務の標準化につながっていきます。また、作業者からの意見も吸い上げることができれば、より鮮度の高いマニュアルを運用することが可能です。
マニュアル運用の効果
- ルール順守による、品質向上
- 標準化作業で生産性向上・残業抑制
- 労災事故件数の減少
- 顧客満足度の向上
- 利益率向上
マニュアル鮮度を常に保つための仕組み
マニュアルの鮮度を保つには、これまでお伝えしたようなルール作りと運用するための仕組みが必要です。そのため既に多くの企業で、監査による定期点検、台帳管理やOfficeソフトを使った様式設定、部分的なシステム導入などで対処されています。しかし、実際にお客様の困りごとをお聞きすると、理想と現実は違い、仕組みがうまく回らずに「鮮度が高いマニュアル」の運用に苦労されている企業様が多いようです。
クイックスではこのようなお客様の困りごとへのソリューションとして『i-ShareDX』をご紹介しています。
『i-ShareDX』は、文書ライフサイクルに沿って最適な文書運用を支援するクラウドシステムです。作業者が求める「正しく、見やすく、活用しやすいマニュアル」を鮮度よく運用するための機能を各種搭載しています。
また、システム提供だけでなく、マニュアル制作のプロとしてのノウハウをもとに、運用ガイドラインの策定支援やマニュアル作成のワークショップの開催なども承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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