コラム Column

ChatGPTなどの生成AIを使えば、記事のたたき台は数分で作れるようになりました。
中小企業で一人でマーケティングを担当している方にとっては、作業時間を圧縮できる心強い相棒です。 

その一方で、「これって他社の記事と同じようなことを書いているだけでは？」「AIに任せたら、うちならではのオリジナリティがなくなるのでは？」と、不安を感じる場面も増えてきたのではないでしょうか。 

前回のコラムでは、AIで書いた記事でも、中身がきちんとしていればSEO的に問題ないことをお伝えしました。 そこで今回はもう一歩踏み込んで、「AIで記事コンテンツを生成する際のオリジナリティとは何か」「どうやって出していくのか」というテーマで考えてみます。 

生成AIは、大量の情報をもとに「もっともらしい文章」をまとめるのが得意です。
その性質上、どうしても無難で一般的な内容になりやすく、「どこかで読んだことがあるような説明」が並びがちです。

一方で、読者も検索エンジンも、本当に評価するのは「この会社だからこそ語れる話」です。
実際にあったエピソードや、自社で試してきた工夫、お客様とのやりとりから見えてきたリアルな声など、現場でしか見えない情報には“血が通った説得力”があります。

AIを使うこと自体は悪くありません。ただ、AI任せにすると、こうした「現場ならではの話」がごっそり抜け落ちてしまい、一般論だけの記事になってしまう。
そのギャップが、「AIで書くとオリジナリティがなくなりそう」というモヤモヤにつながっているのだと思います。

AIで記事を作るときのオリジナリティとは「AIが持っていない情報を記事の中にきちんと持ち込むこと」です。
AIは世の中に出回っている情報をもとに文章を組み立てますが、以下のような情報は“自分の経験として”持っていません。 

• 自社の現場で実際に起こったこと 
• お客様からよく寄せられる質問や不安 
• 自社製品・サービスで出た具体的な数字や成果 
• プロジェクトの失敗と学び 
• その会社ならではの考え方や方針  

これらは社内だけが知っている「内側の情報」であり、検索エンジンが評価する独自性の源泉です。
逆に言えば、文章をすべて人力で書いたとしても、内容が一般論だけであればオリジナリティとは言えません。  

「全部自分で書くこと」がオリジナリティではありません。構成や文章の整理はAIに任せても問題ありません。また、「新発見を書かなければならない」わけでもありません。
同じテーマでも、どんな順番で説明するか、どんな例を出すか、どんな立場で語るかで独自性は生まれます。 

難しい言葉を使っても差別化にはなりません。読者にとってわかりやすく、経験に基づいて具体的に語られている文章こそ価値があります。  

AIは「形を整える」のが得意です。構成案の作成、背景説明、文章のつながり調整などはAIに向いています。 

一方、人が担うべきなのは、自社の経験や事例、数字、考え方といった“中身”です。
また、最後のファクトチェックも人の役割です。 

AIは骨組み、人は素材と意思。これが両立すれば、オリジナリティは自然に生まれます。  

日常の中で少しずつ素材を集めておくのがおすすめです。
数行のメモでも十分なので、お客様からよく聞かれる質問、社内で共有されたちょっとした工夫や失敗談、打ち合わせで出た“生の声”を書き留めておきましょう。 

ある程度たまったらAIに渡し、「この内容を軸に背景を深掘りしながらまとめて」と依頼すると、文章化の負担が大きく減ります。
最後に自分の目で確認し、自社の考えとズレていないかを整えることで、オリジナリティと信頼性が保たれます。  

 AIで記事を生成することは、効率的で現実的な手段です。ただしAIに任せきりにすると、一般論だけの記事になりがちです。 

オリジナリティとは、AIが持っていない「自社の経験・事例・数字・考え方」をどれだけ持ち込めるか。
AIで形を作り、人が中身を加え、最後に確認する。この流れが“自社らしい記事”を作る鍵です。  

  クイックスでは、コラム記事の作成はもちろん、生成AIを活用したWebマーケティングのご支援も行っています。
「自社らしさを記事にどう落とし込めばいいかわからない」といったお悩みもお気軽にご相談ください。