コラム Column
マーケティング
2025-09-16
Notes移行に立ち止まる理由と、Power Platformで動かせる一歩 ― Microsoft 365との親和性を活かした、新しい選択肢
今も残るNotesアプリ——なぜ移行すべきと言われるのか

IBM Notes(現・HCL Notes)は、かつてグループウェアや業務アプリの中核として多くの企業で使われてきました。
自社専用に構築されたワークフロー、検索フォーム、承認機能……業務の“型”が詰め込まれたNotesは、長年使い続けられてきた実績ある基盤です。
現在もそのまま稼働している企業は多いですが、サポートの変化やUIの陳腐化、そして設計者の退職により、「仕組みはあるのに、誰も直せない・触れない」状態が散見されます。
一方で、Microsoft 365のようなクラウド基盤に業務の軸足を移す企業も増え、Notesが“残された島”のようになっている現場も出てきました。
放置されたままのNotes。そこに潜む“気づきにくい業務リスク”
今Notesを使えているとしても、現場ではこんなことが起きていませんか?
- 「仕様が不明」なアプリが業務の基盤になっていて、誰も手が出せない
- モバイルやクラウド未対応のまま、リモート業務の足かせになっている
- UIが古く、新入社員が使いこなせずExcelやTeamsと二重管理になっている
こうしたリスクは、業務の属人化や非効率化につながり、セキュリティ上の穴にもなり得ます。
さらにNotesは他システムとの連携が難しく、社内にMicrosoft 365が浸透しても、スムーズな情報連携が阻害されてしまいます。
移行が進まない、よくある“現実の壁”
Notesの移行を検討してはいるものの、なかなか進まない。
その背景には、個人の判断ではどうにもならない“構造的な壁”があることが多いです。
- Notes上にあるアプリの数が多く、整理・優先順位づけに時間がかかる
- どの業務がどれだけ依存しているかが見えず、業務部門も判断に悩む
- 要件定義できる人材が限られ、情報の整理が進まない
- 情報システム部門が兼務・少人数体制で、検討に手が回らない
結果、「全体計画を立ててからでないと進められない」という状態に陥り、初動の一歩が踏み出せないまま、数年が過ぎている企業もあります。
Power Platformで、Notesからの移行は“分解して始める”
Power Platformとは?
Power Platformは、Microsoftが提供する業務アプリ開発や業務プロセス自動化のためのノーコード・ローコードツール群です。
Microsoft 365との親和性が高く、ExcelやSharePoint、Teamsなどと連携しながら、現場の課題を“仕組み”として形にすることができます。
代表的なツールには、以下のようなものがあります:
- Power Apps:アプリケーションの作成(業務用フォームやデータ登録画面など)
- Power Automate:業務フローや通知の自動化(承認、リマインド、集計など)
- Power BI:業務データの可視化・分析
- Power Virtual Agents:チャットボットの作成
こうした移行停滞を打破する現実的な手段として、Microsoft 365と連携できる「Power Platform」が注目されています。
Power Platformには以下の特長があります。
- Power Apps:Notesの入力フォームや承認画面を、ノーコード・ローコードで再構築可能。業務部門の協力を得ながら、試作・実証もしやすい。
- Power Automate:メール通知・定期処理・承認フローの自動化を容易に実現。人的対応の手間を減らし、品質の安定化に貢献。
- SharePointやTeamsとの連携:Microsoft 365環境における業務データの一元管理をサポート。
- 他システムとの連携:SAPなど主要業務システムとの接続もサポートされ、段階的な統合が可能。
- セキュリティとガバナンス:管理者向けの制御機能やログ管理が整備されており、移行後の統制も担保できます。
すべてを一度に再構築する必要はありません。Notesアプリを分解し、段階的にPower Platformで置き換えていくことで、実運用を止めずに着実な移行が進められます。
「このアプリから」始めませんか?クイックスが移行の一歩を支援します
私たちクイックスは、Notesで行っている業務の棚卸しから、Power Platformを活用した設計・開発・展開まで、一貫して支援しています。
- Notes特有のアプリ構造を理解した上で、置き換え可能な業務を選定
- Power Apps/Power Automateを使ったPoC(実証)で現場の納得感を醸成
- 情シスと業務部門の間に入り、設計と調整をサポート
- ローコード開発の定着支援、内製化支援も可能
「この業務アプリから移行したい」といった小さなきっかけからでも、共に動き始められる体制を整えています。
Notes移行の一歩を、Power Platformで動かしませんか?
Notes移行に向けて、「どこから始めるか」で止まっている企業は少なくありません。
私たちがご支援してきた中でも、「小さな業務から着手して、Power Platformで具体化できたこと」が移行の転機となるケースが多くあります。
Microsoft 365の環境がすでに整っているなら、Power Platformを使った段階的な移行は、最も現実的で効率的な選択肢のひとつです。
まずは、使われなくなった申請フローや承認アプリのような“小さな課題”から。
クイックスが、検討段階から伴走します。どうぞお気軽にご相談ください。