コラム Column

 みなさんは業務上の課題を見つけたとき、どのような対策をとっていますか？ 

まずは現状を分析し、どこが悪いか確認した上で、対策をたてるのではないでしょうか。マニュアル分析も同じです。「現状を分析」し、「対策をたてて改善」していきます。  

 はじめに、業務マニュアルの課題に対してお客様が実施された対策をご紹介します。 

• データ上の見ためを調整して視覚的な部分を改善した 
• 文章の表現や書き方を変更して言葉の統一を図って改善した 

レイアウト（見ため）を改善して、文章表現が統一するという改善がされています。はたしてこれだけで、業務マニュアルの課題は解決されるのでしょうか。使いやすい、わかりやすいマニュアルに必要な要素は他にないでしょうか。 

弊社では、分析の第一歩として「マニュアルの目的」を明確にしています。 

• Ÿ誰が何のためにこのマニュアルを利用するのか 
• Ÿこのマニュアルで何を解決するのか 

マニュアルの目的が明確になると、マニュアルに書くべき情報や、あるべき姿がはっきりします。つまり目的があいまいなままだと、わかりやすいマニュアルにならないということもできます。マニュアル分析は、マニュアルの目的を確認する工程からはじめましょう。 

 同じ作業に対する説明でも、職制や利用者の知識レベルによって必要な情報は変わってきます。 

作成されたマニュアルが 

• 作成者の知識レベルで記載されている 
• 作成者は作業を理解しているため、必要最低限の記載しかない 
• 操作手順を作成者の流儀で並べて記載しているため、それが正しい手順なのか不明 

というように、作成側の主観で作成されていて、利用者の目線が配慮されていない場合があります。 

 業務マニュアルは、業務を遂行する上ですべての社員が理解できることが求められています。そのため、マニュアル分析は、「すべて社員が理解できるのか」という目線で分析する必要があります。利用者を意識して読み返すだけでも、問題点や改善ポイントが見えてきます。 

 マニュアルの目的が明確になったら、次に2つの内容で分析を行っていきます。 

文書分析：文書自体の書き方や構成を分析する 

　　　　　ü 　簡潔な文章か？ 

　　　　　ü 　1文あたりの情報量は適切か？ 

　　　　　ü 　読み手が理解できる用語を使っているか？ 

　　　　　ü 　用語は統一されているか？ 

運用分析：マニュアル作成後の文章の共有や運用ルールなど運用面を分析する 

　　　　　ü 　文書をストレスなく検索できるか？ 

　　　　　ü 　更新履歴が明示されているか？ 

　　　　　ü 　公開された文書へアクセスしやすいか？ 

　　　　　ü 　付属文書をあわせて確認できるか？ 

 このほか弊社のマニュアル分析では、 

作成履歴 ／ 検索性 ／ 情報整理 ／ 文章表現 ／ スタイル表現

これら5つの要素に対し、これまで説明してきたポイントを押さえて分析します。 

また、分析結果は一目で問題点や改善内容が理解できるように可視化しています。 

可視化することで、マニュアル作成関係者に現状の問題点が共通で認識され、会社全体での改善に取り組みやすくなります。 改善されたマニュアルを分かりやすく・使われるマニュアルにするために、改善後に再度分析して、その結果をまとめておくことも効果的です。 

 弊社では、 「マニュアルが使いにくいので見直したい。」 「すでに数多くのマニュアルが存在しどこから手を付けてよいかわからない。」 このような問題でマニュアル改善に着手できていないお客様向けに、いま使っているマニュアルを、「活用されるマニュアル」に改善するためのポイント・手法を体験できるワークショップサービスを提供しています。 

 このワークショップでは、分析のための評価シートを使用して、お客様がいま使っているマニュアルを教材に、分析・改善を体験していただけます。実際にマニュアルを作成している担当者・管理者が実践的な手順に沿って分析・改善を行えるようになりますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。 

 マニュアル分析・改善ワークショップ　コース 

① 文書評価シートを使った文書分析とリライト 

② 目次評価シートを使った目次改善