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2018-04-11
【DITAコラム:第1回】DITAとはどんなものかしら
DITAはXML文書の構造を定義した国際規格です。 DITAで書かれた文書は情報が整理され、読み手に伝わりやすく、書き手にとっては要素ごとに保存して再利用しやすくなるという特徴があります。
DITAとは
みなさんは「DITA(ディータ)」という言葉を聞いたことはありますか?
DITAとはDarwin Information Typing Architectureの略です。DITAはIBMによって開発され、OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)が策定したXMLベース文書の国際標準規格です。なんだか横文字ばかりで難しそうなイメージですね。
簡単にいってしまえば、DITAはXMLを使って作る文書のルールのようなものです。賢人たちが知恵を出し合って、XML文書はどのような構造であるべきか、各階層にはどのような要素が含まれるべきかを検討した構造定義の国際規格がDITAなのです。
DITAのメリット
DITAでは、決められた文書構造に沿って文書を作成します。文書の構造内は要素によって分類されています。DITAで書かれた文書は情報が整理され、読み手に伝わりやすく、書き手にとっては要素ごとに保存して再利用しやすくなるという特徴があります。
どうしてこのようなメリットが生まれるのでしょうか?
トピック指向ライティング
DITAでは「トピック(topic)」と呼ばれる情報のまとまりを基本単位としています。文書を作る際は、ひとつのトピック内で読み手に必要な情報が完結するように書いていきます。トピック指向ライティングと呼ばれる手法ですね。
トピックには「タスク(task)」、「コンセプト(concept)」、「レファレンス(reference)」といった分類があり、それぞれの文書構造が定義されています。いってみれば書きたい文書ごとに骨組みが決められているようなものです。文章の組み立てが苦手なひとであっても、基本構造が決められていますので、読み手に伝わりやすい文章を組み立てるのが容易になります。
マップ
DITAのトピックは「マップ(map)」と呼ばれるファイルでまとめておくことができます。たとえばA、B、C、D、Eという5つのトピックがあったとすると、A B Cをまとめたマップ、A C Eまとめたマップ、B D Eをまとめたマップというように、5つのトピックを使って、異なるまとまりを作ることができるのです。
要素
トピック内にはDITAで定められた定義に従って、さまざまな「要素」が含まれています。これらの要素は、書かれている内容を読み取って分類していきます。言葉が部品として整理されるのをイメージするとよいかもしれません。部品化された要素は、異なるトピック間で再利用することが可能です。
再利用
トピックという大きなまとまり、その中に含まれる要素という細かなまとまり、そのどちらも部品化して再利用することができるのがDITAの特徴といえるでしょう。
特殊化
情報がわかりやすくて再利用可能だとしても、自分用にカスタマイズできないと困る!と感じた方もおられることでしょう。DITAには「特殊化」という技術も備わっています。標準的なDITAを「特殊化」することで、自分の使いたい形に合わせて最適化することができるのです。
DITA-OT (OPEN TOOLKIT)
もうひとつ、DITAの大きな特徴として、DITAで書かれた文書を、HTMLやPDF等のデータ形式に変換するためのツールが無料配布されていることがあります。これはDITA-OT (Open Tool Kit)とよばれているもので、DITAで書かれた文書であれば、DTPをしなくても、自動組版でHTMLやPDFが作成できるのです。ただし、DITA-OTが持つテンプレートは標準的なレイアウトのみですので、デザイン性の高いレイアウトがご希望の場合は、専用プラグインが必要になります。
では、DITAでは具体的になにができるのでしょうか。どんな文書がDITA向きなのか、どのような活用法があるのか、第2回はDITAの活用方法についてお話ししましょう。
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