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展示会データから、マニュアル改善の課題を分析

展示会で面談した2,000社のデータから見えてきた課題 ―マニュアル改善の検討が止まる3パターン

2026-01-29 文書改善 文書運用改善 文書共有改善 News

展示会で面談した2,000社のデータから見えてきた課題 ―マニュアル改善の検討が止まる3パターン

業務改善やDXに取り組みたいと考えているものの、
進めようとすると、現場の手順・ルールが整理されておらず、結果として「マニュアルの整備や運用」が壁になるケースも多く見られます。
「何から手をつけるべきか分からない」「マニュアルはあるが、結局うまく使われていない」
といった状態で検討が止まってしまっている企業は少なくありません。

 

マニュアルは、本来 業務の進め方を標準化して共有するためのものであり、業務改善やDXを進めるうえで重要な役割を担っています。
マニュアル運用が整っていないと、教育や引き継ぎ、品質の安定といった日常業務に支障が出やすく、その結果業務改善やDXの取り組みも前に進みにくくなってしまいます。

 

私たちは、クラウド型マニュアル管理システム「i-ShareDX」を軸に、数年にわたり各種展示会へ出展してきました。
2025年は、DX、バックオフィス、製造・現場向けなどテーマの異なる12の展示会に出展し、展示会場では延べ約2,000件の来場者対応を行っています。
相談を受ける中で、マニュアル改善の検討が止まる企業には、共通する3つのパターンがあることが見えてきました。

本コラムでは、その3つのパターンと、次に何を整理すべきかのヒントを、データをもとに整理します。

ー 目次 ー

    出展内容について

    i-ShareDXとは?

    i-ShareDX は、規程・手順書・品質保証文書などの社内文書を、Webマニュアル(HTMLマニュアル)として一元管理し、検索・更新・周知まで含めた“使われ続ける状態”を支えるクラウド型マニュアル管理システムです。

    展示会では、実際の画面をお見せしながら、
    「必要な情報がすぐに見つかる」「運用負担を抑えながら最新の状態を保てる」
    といった点を中心にご紹介してきました。

    セミナー登壇について

    一部の展示会では、「DXで実現するマニュアル活用」をテーマにセミナー登壇も行いました。
    ある講演では定員を上回る参加があり、立ち見が出るほどの盛況でした。

     展示会ブースで多かった相談内容をもとに、マニュアル改善の進め方や検討のポイントを解説しました。

    来場者の属性

    課題の傾向を整理する前に、まずは展示会で実際にどんな方が相談に来られていたのかを整理します。
    展示会ブースでの対話内容を記録した「課題アンケート情報 」を集計し、来場者の属性について分析しました。

    ※延べ約2,000件の対応のうち、課題や社内での取り組み状況などの記載がある情報のみを対象に集計しました。

    役職の傾向

    • 担当・一般:37.6%
    • 課長:17.1%
    • 係長・主任:12.8%
    • 部長:6.7%
    • 経営層(社長・代表・取締役など):7.3%
    • リーダー・室長:4.2%
    • その他:14.2%

    役職の傾向を見ると、担当者層に加えて、課長以上や経営層といった、決裁権限を握る立場の来場者も一定数見られました。

    この結果から、マニュアル改善は現場担当者だけでなく、

    意思決定に関わる層も含めた「全社横断の課題」として認識されていることがうかがえます。

    部署・部門の傾向

    • 総務・法務・人事・経理:30.7%
    • 情報システム・DX・IT:12.6%
    • 営業・販売:10.4%
    • 経営企画・企画:6.0%
    • 製造・生産・現場:4.5%
    • 品質:1.3%
    • 購買・調達・物流:0.9%
    • その他:33.6%

    部署・部門の傾向を見ると、「総務・法務・人事・経理」や「情報システム・DX・IT」の比率が高く、出展した展示会の多くがDX系・バックオフィス系であったことを踏まえると自然な結果といえます。

    一方で、営業・企画・製造など他部門からの来場も見られ、マニュアル改善が特定部門だけのテーマではなく、業務全体の課題として関心を集めていることがうかがえます。

    課題の傾向

    展示会ブースでは、課題と、その課題のうち最も強い課題についてヒアリングしています。今回は最も強い課題を集計しました。

    • 個人作成・個人管理:20.8%
    • 検索性:10.7%
    • 更新・改訂の工数、漏れ:9.7%
    • マニュアルがない:8.8%
    • 見た目・書き方の不統一:8.2%
    • 管理:6.4%
    • 不明・該当なし:35.3%

    課題の傾向を見ると、上位に並んでいるのは、属人化・検索性・更新といったマニュアルの運用に関する課題です。「不明・該当なし」が一定数見られますが、この中には、「課題がない」のではなく、その場で課題を1つに絞らずまずは情報収集や状況整理をしたいといった来場者や、国際基準に沿った品質文書管理がしたいといった、より具体的な課題をもつ来場者の回答が多く含まれています。

    展示会の性質による課題の現れ方の違い

    また各展示会のテーマによって、課題の現れ方に違いがありました。

    DX系展示会の場合

     業務効率化・DX推進が相談の入口になりやすい傾向があります。

    その一方で、話を深めると、業務手順やルールがマニュアルとして整理・共有されておらず、取り組みが前に進まないケースが多く聞かれました。

    バックオフィス系展示会の場合

     属人化の解消・教育・引き継ぎ・業務標準化が相談の入口になりやすく、「マニュアルはあるが使われない」「探せない」「更新されない」といった “活用段階” の悩みが多く聞かれました。

    製造・現場系展示会の場合

     品質・安全が相談の入口になりやすく、作業標準の話へ発展しやすい傾向があります。その一方で、紙での管理や個人管理が残っている、改訂情報が現場に伝わらないなど、「現場で使われる状態」に届いていないケースが多く聞かれました。

    入口は違っても、行き着く先は 「マニュアルをどう運用するか」 という点で共通していました。

    展示会約2,000件のデータから見る、「検討が止まる」3つのパターン

    アンケート情報をもとに、検討が止まりやすい状態を整理しました。

    パターン①:課題が明確になっていない

    業務改善やマニュアルの必要性を感じているものの、「自社では何が一番の課題なのか」「どこから手をつけるべきなのか」を言語化できていない状態です。

    対象となる業務やマニュアルの全体像が把握できておらず、結果として「まず何を整理すればいいのか」を決めきれずに検討が止まってしまいます。

    ▼パターン①の典型例

    • マニュアルは必要だと思うが、どの業務を優先するべきかわからない
    • マニュアルが部署や個人ごとに点在しており、全体像を把握できていない
    • 課題を聞かれても「いろいろある」としか言えない
    • 困っている実感はあるが、改善テーマに落とし込めていない

    ▼まずはここから

    まずは「どんな文書が、どこに、どれくらいあるのか」を把握することが次の検討につながります。 

    パターン②:改善の方向性が定まっていない

    マニュアルはすでに存在しており、「作る必要がある」という段階は超えているものの、それをどう使い、どう運用していくかという方向性を決めきれない状態です。

    検索しにくい、更新されない、結局人に聞いてしまうなど、課題は見えているものの、「何を変えれば状況が良くなるのか」「どこまで手を入れるべきか」が定まらず、検討が前に進みにくくなってしまいます。

    ▼パターン➁の典型例

    • マニュアルはあるが、情報がすぐに見つからない
    • 誰が・いつ・何を更新したのか把握できていない
    • 結局、詳しい人に聞くのが早い状態が続いている
    • Web化・整理・ルール化など選択肢が多く、判断できない

    ▼まずはここから

    「誰が・いつ・どう更新し、どう共有するのか」といった運用ルールを整理することが、方向性を決める手がかりになります。

    パターン③:改善効果を見える化するための指標ができていない

    マニュアルの整備や運用ルールの見直しなど、一定の取り組みは進めているものの、その効果をどう測り、どう改善につなげるかが整理できていない状態です。

    更新や承認、周知といった運用は行っているものの、「本当に使われているのか」「改善につながっているのか」を判断する材料がなく、次の改善判断ができずに立ち止まってしまいます。

    ▼パターン➂の典型例

    • 形式的に改訂はしているが、活用状況は不明
    • 周知しても、現場は古い手順で作業してしまう
    • 文書管理が特定の人に集中し、負担が大きい
    • 改善の成果をどう説明すればいいか分からない 

    ▼まずはここから

    「どの文書が、どの程度使われているか」「運用が回っているか」を把握できる指標を持つことが、次の改善判断につながります。

    まとめ|マニュアル改善の検討が止まる理由は「検討材料が足りない」こと

    展示会では、マニュアルの必要性を感じながらも、次の一手を決めきれずに立ち止まっている企業が多く見られました。背景にあるのは、「自社として何をどこまでやるのか」を判断する材料が揃っていないことです。

    必要な打ち手は企業によって異なります。まずは対象文書や運用ルール、現状の回り方を整理したうえで、「i-ShareDXのようなシステムが必要か」「運用設計の見直しで十分か」を検討していくのが現実的です。

    本コラムを読んで「自社はどのパターンに近いか」「次に何を整理すべきか」を考えたいと感じた場合は、お気軽にご相談ください。対象文書の整理、運用ルール(レビュー・承認・周知・改訂)の考え方、現状把握の進め方など、状況に合わせて一緒に整理します。システム導入・契約ありきではなく、状況整理の段階からお手伝いしています。

    お気軽にご相談ください

    まずは状況整理から相談したい方へ

    「自社はどのパターンに近いのか」「何から整理すべきか」を一度整理してみませんか。
    マニュアルや文書運用の現状をお伺いし、次に検討すべきポイントを一緒に整理します。

     

    【事例】他社でのお取り組みを確認したい方はこちら

    業界・規模の異なる企業が、どのような背景でマニュアル改善に取り組み、どんな変化が起きたのか。
    実際の事例から、改善のヒントをご覧いただけます。

    イオンタウン株式会社様 (建設・不動産)

    紙の業務マニュアルを体系化。
    迷ったら“ここを見ればいい”状態に。

     

    JX金属株式会社様 (製造)  

    ISO・JIS文書を、迷わず運用できる状態へ。 

    「見られないマニュアル」から、日常的に使われる存在へ 。

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