活用事例・コラム

健康保険組合の保健事業担当の方の多くが、受診勧奨を続けても受診率が一定ラインから伸びない現状に直面しています。郵送・電話など従来のアプローチだけでは、加入者の行動を変えるには限界があるのかもしれません。しかし、印刷のデジタルトランスフォーメーション（印刷DX）を取り入れることで、思わぬ突破口が見えてくる可能性があります。本コラムでは、その具体策を探ります。

受診勧奨の行き詰まりを解消するヒント

多くの健康保険組合様が抱える悩みは、「受診勧奨は行っているが、ある程度の受診率で頭打ちになってしまう」という点です。案内を送付しても、仕事や家事で忙しい加入者は「後で受けよう」と後回しにしがち。そのまま期限を過ぎて受診率が伸び悩む――こうしたパターンが繰り返されていませんか。

この壁を乗り越えるには、“単純な通知”から“一人ひとりを動かす”DMの作成が大切です。そこで注目されるのが、印刷DXを活用した新しいDM施策やアウトソーシングです。単なる郵送物ではなく、開封率の高い仕掛けやパーソナライズ要素を取り入れることで、行動変容を促しやすくなります。

印刷DXでDMが変わる4つの切り口

(1)生成AIを用いた、開封率の上がるDMデザイン提案

従来のDMは同じテンプレートを使い回しがちで、受け取った側からすると「またか」と捨てられがちです。そこで、生成AIを活用してターゲット層や過去の開封データを分析し、最適なコピーやレイアウトを自動提案する手法が注目されています。数多くのパターンを試した上で精度を高めるため、結果として開封率や反応率が向上する可能性が高まります。

(2) 紙媒体を用いた、捨てられない印刷物の提案

インターネット広告やメールが氾濫する時代だからこそ、紙で届くDMが持つ物理的な“存在感”には大きな強みがあります。さらに、立体加工や高級感のある紙質、思わず飾りたくなるデザインなど、一工夫を凝らした印刷物なら、加入者が捨てる前に一度は目を通します。そこに受診の重要性やメリットを訴求すれば、「先送りしないで今すぐ受診しよう」と行動に移すきっかけを作りやすくなります。

(3) デジタル印刷と圧着DMでコスト削減＆セキュリティ強化

健診案内は個人情報を多く含むため、セキュリティ対策が欠かせません。ここで役立つのが圧着DMです。封筒を使わずに済むため郵送費を抑えつつ、情報を外から見えにくくする構造により、プライバシーをしっかり保護できます。また、デジタル印刷を組み合わせれば少部数から短納期で作成できるうえ、加入者それぞれにカスタマイズした案内文面を自動印刷することも可能です。

(4) アウトソーシングによる社内負担軽減

保健事業を進めるうえでは、DM制作や発送、結果の集計管理など幅広い業務が発生します。こうした部分的な工程をアウトソーシングすれば、担当者の負担を減らしつつ、より重要な施策立案や加入者フォローに専念しやすくなります。

近年では、健診関連業務に特化した支援サービスも登場しています。たとえば健診Assistでは、受診勧奨にかかる煩雑な作業を軽減できます。社内に専門知識やリソースが不足していても、外部のノウハウを取り入れることで効率的に業務を進められるのが大きなメリットです。結果的に、担当者はコア業務へ注力しやすくなり、受診勧奨の質を高めるきっかけにもつながるでしょう。

まとめ

従来のやり方で受診率が頭打ちになっている状態を抜け出すには、印刷DXの活用とアウトソーシングが有効な突破口になります。生成AIを活用した開封率の上がるDMデザイン、捨てられない紙媒体の工夫、圧着DMによるコスト削減とセキュリティ強化など、取り組める施策は多岐にわたります。こうした新しいアプローチを実践すれば、加入者への印象だけでなく、担当者の業務効率まで劇的に変わるはずです。もし「具体的にどう進めればいいか迷っている」という方は、新しい一歩が、健康保険組合様の保健事業を大きく変えるかもしれません。