活用事例・コラム

コラム

2025-01-14

生活習慣病の重症化を防ぐ3つの方法 健康保険組合が取り組めることを考える

生活習慣病の重症化を防ぐには、生活習慣の改善、ハイリスク層への対応、未治療者の受診促進が鍵です。健康保険組合が取り組むべきポイントを考察します。

生活習慣病の重症化を防ぐ3つの方法 健康保険組合が取り組めることを考える

健康保険組合における保険事業の役割は、加入者の健康を維持し、医療費の適正化を図ることにあります。そのためには、生活習慣病の重症化を未然に防ぐ取り組みが重要です。

本コラムでは、生活習慣の改善、ハイリスク・アプローチ、未治療者への受診勧奨の3つの観点から、実践すべき施策を紹介します。

1. 生活習慣を変える第一歩|改善のための取り組み方 

生活習慣病の重症化を防ぐ最も基本的な方法は、生活習慣の見直しです。不適切な食生活や運動不足、過剰な飲酒や喫煙は、糖尿病や高血圧症などの発症リスクを高めます。

例えば、食事を工夫したり、日々の生活に運動を取り入れるだけでも健康改善につながります。健康保険組合としては、加入者が楽しく取り組める仕組みづくりが鍵です。

以下のような施策を検討してみてください。

健康教育プログラムの提供:オンラインセミナーやリーフレットを活用して、食事・運動習慣の改善方法を啓発する。
健康増進イベントの実施:ウォーキングチャレンジやレシピコンテストなどを通じて、楽しみながら健康的な行動を促進する。
定期的なフォローアップ:健診結果をもとに、個別に改善計画を提案し、行動変容をサポートする。

2. データ活用で高リスク層を守る|ハイリスク・アプローチの実践法 

特定のリスクを抱える方に焦点を当てたハイリスク・アプローチは、重症化予防において極めて効果的な方法です。どのように進めるべきか、段階的に考えてみましょう。

まずは、健診データをもとにリスク層を把握します。その後、以下のような施策を検討してみてください。

データに基づくリスク層の特定:健診データや医療費データを活用して、糖尿病や高血圧の予備群を特定する。
重点的な保健指導:保健師や管理栄養士による個別カウンセリングを実施し、具体的な改善アドバイスを提供する。
専門医との連携強化:高リスク者が専門医にスムーズにアクセスできる仕組みを整備する。

こうしたステップを一つずつ進めることで、効果的に成果を上げることができます。

3. 未治療者を医療へつなぐ方法|重症化を防ぐ受診勧奨の進め方 

健診結果で要治療と判定されたにもかかわらず、医療機関を受診していない未治療者へのアプローチは、予防の最前線です。

この取り組みでは、未治療者が治療を受けやすくする環境づくりがポイントです。

通知による受診促進:健診後に文書やメールで受診を勧奨する。
電話や訪問でのフォローアップ:保健師が直接未治療者に接触し、受診の重要性を説明する。
受診しやすい環境づくり:受診先の医療機関情報を提供し、予約支援などのサービスを展開する。

これらの取り組みを通じて、未治療者が治療を開始しやすくなるだけでなく、重症化を防ぐ具体的な成果が期待できます。また、こうした活動は医療費の適正化にもつながります。

まとめ

生活習慣病の重症化を防ぐためには、生活習慣の改善、ハイリスク者への重点的なアプローチ、未治療者への受診勧奨という3つの施策が重要です。これらの取り組みは、加入者の生活の質向上だけでなく、医療費の抑制にも大きく寄与します。