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マニュアルの種類はたくさんあって混乱する?

業務マニュアルに適した表現媒体の選び方とは?

2023-02-01 文書共有改善

業務マニュアルに適した表現媒体の選び方とは?

業務マニュアルを作るとき、最適なアウトプットはどのような形でしょうか。紙の文書を配布する、HTMLマニュアルを社内ホームページに公開する、それとも動画を作って担当者に見てもらう?

さまざまな表現媒体から、どのような基準で最適解を見つけていくのか、その選び方のヒントをお伝えします。

ー 目次 ー

    作成するマニュアルの目的を整理する

    「作りやすさ」より「理解しやすさ」で選ぶ

    業務マニュアルを作成するには、はじめに「どのように表現するか?」「適した表現媒体は何か?」を検討する必要があります。

    業務マニュアルの目的は、「読み手が業務を理解し、作業を完遂できる」ことです。「文章」だけで足りるのか、「画像」がより適しているのか、「動画」が良いのか。表現媒体は、「作りやすさ」よりも、「理解しやすさ」で選ぶべきなのです。

    目的を整理して、適した表現媒体を決める

    理解しやすい表現媒体を選ぶには、「そのマニュアルの目的」を整理することからはじめましょう。

    • 「誰が」
    • 「どんな手法で」
    • 「どのような結果を出すか」

    これらを検討することで、マニュアルの目的を明確にしていきます。

    整理の軸は「読み手は誰か?」と「利用シーン」

    マニュアルの目的を整理するには、以下2つの軸で考えます。

    読み手はどんなひと?

    読み手(=作業者)はどんなひとなのでしょうか。業務を遂行するのは、「新人」ですか? 「経験者」ですか? また、その作業に対するリテラシーはどの程度でしょうか。

    ひとくちに「新人」といっても、作業に対する前提知識は異なります。例えば、システム系の業務マニュアルを作成する場合、まったく知識のない「新人」の場合もあれば、専門知識を習得済の「新人」というケースもあります。

    前者であればシステム用語の説明を交えつつ、画像を多用し、複雑な手順を動画にするとよさそうです。一方、後者であれば、習得済のシステム用語の説明をスキップして作業の流れを文章で説明し、会社特有の注意点のみ画像を交えて表現すれば十分だと考えられます。

    これは「経験者」に対しても同様です。利用者のリテラシーをしっかりと確認し、必要な情報・そうでない情報から適した表現媒体を選びましょう。

    読み手の利用シーンは?

    続いて、読み手(=作業者)の利用する状況を洗い出しましょう。読み手の作業は「現場作業」ですか?「デスクワーク」ですか?

    読み手の作業が「現場作業」の場合、作業が肌感覚で行われることが多く、「気持ち」や「少しだけ」のような表現を使う傾向があります。

    これを具体的な数値にすると「少しだけ」はたとえば「2mm~5mm」というような表現になりますが、数値化することでかえって理解しにくくなってしまうことがあります。

    そんな場合は、手本となる作業を「動画」で撮影して説明するほうが、作業者に伝わりやすくなるのです。

    では「デスクワーク」の場合はどうでしょうか。工程の上流から作業を開始して、順に工程を追っていくというよりも、「請求書発行後の処理」や「出張申請に必要な書類」「有給休暇の規定」など、ピンポイントで情報を探すことが多いと考えられます。

    その場合は、「動画」や「画像」では検索しにくくなるため、検索ワードがヒットしやすいように「文章」で情報を整理し、情報の引き出しやすさを重視した表現媒体を選ぶと良いでしょう。

    目的を整理すると、表現媒体が決まる

    それではサンプル事例を見ながら、ここまでをまとめてみましょう。

    IT知識ありの新人向けに「PCのセットアップ」マニュアルを作る

    PCがどのような状態になれば完了かを明示したうえで、作業に必要な最低限の手順を書いたマニュアルがあれば十分でしょう。

    動画は不要で、画像もいらないかもしれません。文字を中心に、必要な作業が検索しやすいようにしておきましょう。

    IT知識なしの新人向けに「PCのセットアップ」マニュアルを作る

    IT知識がない新人向けの場合は、スクリーンショットやアイコンを多用し、どんな作業をして結果どうなるのかを視覚的に伝わる形で書くと良いでしょう。 

    動画でもよいと思いがちですが、普段PCを触らない場合は、次々に進んでいく動画を見るよりも、自分のペースで読み進められる紙のほうが好まれる傾向があります。

    現場の作業をベテランから後輩に引き継ぐためのマニュアルを作る

    現場作業の引継ぎマニュアルの場合は、微妙なさじ加減を表現するために動画を使用するとよいでしょう。それに加えて、作業に漏れが出ないようチェックリストを用いることもオススメです。

    このように、読み手の「リテラシー」と「利用シーン」から考えると、適した表現媒体が決まります。

    目的を整理するためのマニュアル表現の種類

    参考資料配布中「それぞれの媒体(表現)のメリット・デメリットが分かる」

    当社では表現媒体ごとの長所・短所をまとめた資料を配布しています。ダウンロードして、御社での業務マニュアル作成にご活用ください。

    また、媒体(表現)の選び方や、その他業務マニュアルに関する課題がございましたら、お気軽にお問い合わせください。