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ISO9001:2015に沿ったマニュアル運用を考える

2024-01-29 文書改善 文書運用改善 文書共有改善

ISO9001:2015に沿ったマニュアル運用を考える

今回は取得企業も多い代表的なISO規格、「ISO9001:2015」品質保証マネジメントに沿ったマニュアル運用について執筆いたします。

ー 目次 ー

    1.ISO9001:2015とは

    ISO9001とは、国際標準化機構(ISO)が定めた品質マネジメントシステムの規格の一つで、組織が顧客の要求や法規制などを満たすために必要なプロセスや手順を整備し、継続的に改善することを目指すものです。ISO9001に沿って品質マネジメントシステムを構築することで、組織は以下のようなメリットを得ることができます。  

    • 顧客満足度の向上
    • プロセスの効率化や無駄の削減
    • タスク管理や問題解決能力の強化
    • 組織の信頼性や競争力の向上

    国内外問わず新規で取引をする際の、自社の信用性を表す指標にもなるため、現在では世界中で1万を超える企業が取得しています。

    ISO9001の中でのマニュアルの役割

    ISO9001では、手順書について「プロセス運用を支援するために必要な文書化した情報を維持するため」という観点から要求しています。 

     つまり、手順書は、作業者が作業内容や方法を正しく理解し、実行できるようにするためのツールとして活用することが推奨されています。 

     そのため手順書には、テキストや画像を中心としたマニュアルから、動画マニュアル、チェックシート、フローチャートのような補助ツールも含まれています。 

    どんなマニュアルを作成する?

    手順書の作成や運用においては、以下のポイントに注意することが望ましいです。 

    • 作業者の立場に立って、わかりやすい言葉や画像・動画などを用いて作業手順を説明する。
    • 作業工程や注意点などを5W1H(Who, What, When,Where, Why, How)の観点から明確にする。
    • 作業手順書は定期的に見直しや更新を行い、現場の変化に対応する。
    • 作業手順書は従業員に周知し、教育や研修などで活用する。
    •  ここでのポイントは、作業手順書は作業者の立場に立って、使いやすいものであることが重要であるという点です。 

    そのため作業者の知識レベルによっては、詳細な手順書が必要な場合やチェックリストやフローチャートといった補助ツールのみの方が使いやすい場合があります。 

    実情に沿った柔軟さもマニュアル運用には求められます。

    マニュアル改善のやりかた例

    • 該当作業の環境が変わっていないかを確認する。

    前の章でも記載した通り、使いやすいマニュアルというのは作業者(利用者)や使う環境(PCでみる、紙で見る、外で見る…etc)によって変化します。 

    マニュアルを作成した当初は経験豊富なベテラン作業員しかいなかった現場も、人の入れ替わりにより保有している知識レベルが全く違ってくる可能性もありますので、常に現状に最適なマニュアルとはなんなのか、という観点で分析をしましょう。 

    • 現場の声を反映する。

    実際にマニュアルを利用している作業者から不足している情報はないか、或いは多少のアソビがあってもよい工程に対して不必要に作業内容が指定されていないかといった意見を聞くことが重要です。 

    ISO9001に求められる顧客目線の品質保証マネジメントに求められる成果を意識しつつ、効率化を実現できる塩梅を探ることも重要です。 

     

    • 不要なマニュアルは削除する。

    意外と見落としがちになることが、使われなくなったマニュアルの放置です。情報が古い、あるいはすでに運用がされていない作業についてのマニュアルを放置してしまうと、その他のマニュアルの信頼性も著しく下げてしまう恐れがあります。そういったことが無いように定期的に不要なマニュアルは削除することが好ましいです。 

    まとめ

    今回はISO9001、品質保証という観点でマニュアル改善についてお話を致しました。作って終りにならないよう、定期的なマニュアル改善といった運用を行うように心掛けてみてください。